ラーメンコラム …その2



●佐野ラーメン…お店の味と、謎のもつ煮…について

佐野ラーメンのお店で、メニューが1種類しかない店がある。
荻窪などのラーメン激戦区にも、メニューが「中華そば」しかない店もあるが、
これは繁盛店ならではのこと?
まあ、これは作る側、食べる側にもメリットがあり、早く提供し、早く食べられる。

でも、それだけだろうか?
これは、昭和初期などを経た歴史のある古い店に多い気がする…。

佐野ラーメンは、大正から昭和にかけ佐野を含む両毛地域で発達し隆盛を極めた繊維産業がベースと聞く。
桐生市などは当時輸出にも力を入れ国家予算より大きい金額を稼いでいた…という記録もある。
鉄道でさえ自腹で引いちゃう…んだから。
この繊維業に従事する方々の数は膨大だったろう…。
この方々に向け、小麦の産地もであったこの地で発達した佐野ラーメン。
道々には屋台のラーメン店が並ぶ光景も見られた…という記述もある。
そう!手軽にツルッと食べられる、当時のファーストフード。
そうなると、メニューが1種類しかない…という部分も頷けるような気もするし、
食べる方も多くのメニューには期待していないだろう。
屋台ではそんなに多くの具材や食材、複数のスープ用寸胴なども用意できないだろうから、
自ずとメニュー数は少なくなる…。
「大盛り」とか「チャーシュー麺」とか「ワンタン麺」とか、そのくらいだったと思う。
このあたりなら、チャーシューを多めに、ワンタン作り準備し麺と一緒に茹でれば…くらいで済む。

サッと作って、サッと食べる。そして店の方から歩いてくる気軽さ。
そして、店舗を構える負担…からも解放されマーケティングもできる利点がある。
…自分の店を持つ前に腕だめし!ってね。

その屋台の時代から続いている…店は皆無だと思うが、
人々の記憶から、形を変えつつ繋がった…記憶の連鎖と、
現実の商売の間で…と思わざるを得ない。
…というか、そんな風に考えると、一味違った味にも思える。

気軽な佐野ラーメン…
だから…なのか、「味を変える」店も多い…気がする。
なにせメニューが1種類+バージョン…しかない店が味を変える…から、びっくりする。
選びようがない…んです。
あの味を、もう一度…がないんです。店が無くなっちゃった…のと同じ。
なので…と言ってはなんですが、旨い店は今のうちに皆に食べていただきたい…チャンス!なんです。
期間限定…。(期間は不明)
それでも各々の好みがありますから「お口に合いますよーに。」って願う気持ち…なんです。

そして、もうひとつ。
佐野ラーメン店に多い「もつ煮」について。
当時は、全て注文を済ませるとすぐに供されるのが「もつ煮」。その場で作る必要ないから。
それとビールで楽しみつつ料理を待つ。すると餃子が出てきてこれもビールと共に。
そして〆に佐野ラーメン…という流れが多かった…から…という話がある。
ある市内の佐野ラーメン屋さんは、
餃子が焼けるまでどれだけ忙しくてもラーメンを作らなかった…という事も聞いた。
なんだか、粋だな…というか、ラーメンを楽しんで頂きたい…という店主の気概が伝わるエピソード。
なるほど、だからメニューにもつ煮があるのか…と。
すでに確かめようがないが。

これと似た話が「そば」にある。

蕎麦屋に行き、まずは酒と肴。そして〆にそばでツルッと…が粋な食べ方…。
海苔や板わさで酒を楽しみ、そして蕎麦。いいねぇ。江戸って感じ。

佐野ラーメン屋に行き、まずはビールともつ煮(浅草かっ!)、そして熱々のもちもち餃子。
最後にさっぱりとした佐野ラーメンで〆る。いいねぇ。佐野って感じ。

…こんな「フルコース」な楽しみ方も良いんではないでしょうか?

ぜひ佐野へ。

 

 

お口に合いますよーに。


まずは…


もつ煮で…(あとビールね!)


餃子も楽しみ…(もっちもち!・火傷に注意)

そして

佐野ラーメン!

 

 

 

 

2018年4月17日・記