●根源的な旨さ…を実感する2019年始。
皆様、あけましておめでとうございます。
ラーメン好きにとって、良い一年でありますよう願っておりまする。
私の初ラー1発目は「アメノオト」さんです。
なにせ車で3分ほどの近さと、
あのマジック…にヤられて以来、足繁く通う幸せな事になりました。
さて、何を食べたかというと
「昆布水つけ麺・醤油」を頂きました。
いつもアメノオトさんの料理には驚く…と言うか、
考える…いや、考えてしまう…旨いから。
そんな時間を与えて貰える…シンプルさと余裕が、ここの味には、ある。
料理をしているとよく旨味と塩の関係に驚かされる事も多い。
旨味が効かない時に塩をほんの少し入れるだけで旨味がドカン…
と効いてビックリ…なんて事も。
そして旨味と塩味、そして炭水化物とのバランス。
炭水化物…例えば麺で話すと、麺は表面にはほとんど味が無い。
麺を舐めてもほとんど味がしない。
その半面、旨味と塩味を含んだスープは、もちろん舐めるだけで旨さが分かる。
そこで「噛む」という動作を加える…麺を砕き潰し、
唾液と混ざり独特な旨味・香りを生む。
ここには唾液に含まれる酵素が関係していて、
麺の中のでんぷんを旨味のある甘みに変え「旨い」という事になる。
小麦の中のデンプンやたんぱく質が「麺打ち」という作業で
コシやツルリとした食感、そして香りが与えられる。簡単な事では無い…
これが「噛む」動作。
そこに旨味や塩味が加えられ相乗効果で口の中は幸せに…。
これがラーメン(一般的な食もそうだけど)が旨いと感じる動作のひとつ。
だからラーメンは、
1.見た目で楽しみ、
2.丼の香りで楽しみ、
3.すする食感とすする事で生まれる口内の香り、
4.スープの旨味、
5.反芻する事で生まれる麺の食感、麺の旨味・香り、
6.チャーシューやその他の具材の旨味、
こんな部分でトータルした旨さが生まれ、
それが店の顔になる。
そういえば、3.のすする行為は、
すする・すすらないの差で数倍の旨さが生まれるらしい。
確かに実際にすすらないと味が弱い…。
さてさて、
前置きが長くなってしまいましたが、
こんな事を考えさせてしまう、シンプルな旨さがこのラーメンにはあった。
まず、見た目も本当にシンプル。

そうだ…
僕、実は…昆布水麺は苦手…だった。
特異体質…かもしれないが、素麺とか細くてツルッとした食感の食べ物は
オエッ…と来てしまうカラダ…なんです。
でも無類の麺好き、とあるラーメン店の昆布水がすごく気になって、その店に食べに行ったら…。
そこの店の昆布水はドロッドロの糸引き…なんだけど、旨味は無く
ただ粘り気のあるドロッとした昆布水?に細麺が絡まり…
最初は旨そう!なんてすすったら…オエッと…して、もうダメ…。
ほとんど食べられなかった…んです。
こんな僕なので、
アメオトさんを教えていただいた先輩が待ちの最中の僕らに
「昆布水食べた?」
「いえ……ブツブツ」(上記を思い出している…)
「食べなきゃ!」
「あっ、マジですか…」
という会話で腹が決まり、昆布水を食べたわけです…。
…あー……口にするまで怖かったなぁ…今思えば。
オエッと来ると大変なんです…店の方には見せられないし…。
でも、
アメオトさんのは違った…。
まず、美しく盛られた麺を数本箸で掴み、とろみ具合をチェック…。
あれ?全然ドロッとしてない…んん?ああ、少しとろみが…!!!
昆布の香りが…いいいいいいいいっ。
なんじゅあ?
…セオリー通り、まずは藻塩でいただきます。
麺を少し取り分け他の麺の上でまとめ、そこにスプーンからパラパラと…。
他の麺や昆布水にかかっちゃったら、味変わっちゃうし。

…さて、腹を決めて口に………オエッときたらどうぢよう…。
ずるっと…ああ素晴らしき歯ごたえに昆布水の旨味香りが爆発…
噛めば噛むほど、うううううううう〜ん。
上で書いた能書きの動作が、口の中で再現…。
…なんだこれ。
…また一ページ、新たな項目が増えました…。
香りや旨味、塩と出汁(昆布水)の相乗効果。
これは、完全に「和食」。
お上品な「和食」です。
お上品な昆布出汁と旨味のある藻塩、そして嫌味のないコシがある麺。
何かに…似ている味だよ…これ…あ!

だってこれ「京麩」が乗った椀と同じじゃないか?
昆布出汁の効いた上品な汁を椀に敷き、
同じく出汁で炊いた京麩を載せ、三つ葉を結ぶ。
麩の原料は小麦粉。(小麦中のグルテンだけだけどね)
グルテンを出す打ち方なんか考えると、これは完全な「和食」。
それも、お上品な。
…何口か和食を楽しみ、
さて、つけ汁に…。
おお、これもシンプルに醤油が効き鶏油が浮いたスープ。
そのまま一口…。ああ、そうだ、僕はラーメンを食べに来ていたんだ…
と思い出させてくれ、そして「あの麺と合わせたら」と期待が…
…決して味の濃くない旨味が詰まった醤油味のスープは、
麺の味や昆布の香り旨味を殺すこと無く主張せず、
しかし、下からぐっと支えてくれる力持ち。
…ん、つけ汁につけると昆布の香りが…強く…いいねぇ。
嗚呼、旨いな。
そして、確かめるようにまた塩を振る…。
こんなことを繰り返し、終盤になると考えることが…。
そう、終活。
このつけ汁をどうするか…
最後は塩か…はたまた醤油か…。
僕は、つけ汁に
この旨い昆布水を入れて、〆とさせて頂きました。
もちろん餃子と煮豚丼は忘れちゃいけません。
美味しくいただきました。
ラーメンもそうだけど、
料理には複雑な味…とシンプルな味…がありますが、
昨今、シンプルな味が流行っているような気がします。
何度も書きますが、
そう、バランス…なんです。
シンプルでも複雑でも、バランスがなきゃ。
アメノオトさんは、このバランス感覚が素晴らしい。
ラーメンはちょっと…という方も、
これならきっと大丈夫。
口の肥えたあなた!
一度食べてみましょう。
僕は…次は塩!
ふふふ。
あ、みんな来ちゃうと混んで困っちゃう…けど、
お店無くなっちゃって食べられ無くなっちゃう…のは嫌だ。
是非是非どうぞ。
お口に合いますよーに。
2019年1月5日記


